お盆にお墓の上で鎮座するおじさん。妻と娘が来てくれるの待つが…。温かい結末に「今年は墓参り行こ…」の声多数【作者に聞いた】
2023年記事全国
この記事は2023年GW(ゴールデンウィーク)おでかけトピックス特集のものです。最新トピックスはこちら
墓前で亡くなった人の冥福を祈るお墓参り。節目に欠かさず出向く人がいる一方、お墓が遠方にあるなどの理由で「お墓参りがめんどくさい」と感じている人もいるかもしれない。ここでは、そんなお墓参りの見方が少し変わるような素敵な漫画を紹介したい。泉紗紗(
@sasa_iky
)さんの「孤独死したおっさんが、妻と娘が墓参りに来てくれるのを待ち続けてる話」だ。
毎年お盆はご先祖様がお墓に座って待っている?
「初めまして、私…墓です」と、お墓の上に鎮座するおじさん、もとい享年58歳の支島知郎の語りで始まる本ストーリー。周りを見渡すと、支島だけでなく、どの墓の上にも亡くなった人が正座をして座っている。毎年お盆になると、このようにお墓の上で墓参りに来る親族を待っているという。
たくさんの家族が訪れにぎわう中、支島の墓には一向に誰も来る気配がない。実は、支島は生前、忙しさにかまけ家庭を蔑ろにして離婚していた。別れた妻は再婚して、娘とサンフランシスコに移住している。
それでも支島は2人が会いにきてくれることを心待ちにしていたが、日が沈み、誰もいなくなった霊園で正座をして待つのもだんだんバカらしくなってきた。と、そこへ現れたのは――?
温かい結末に「墓参り行こう」の声が続々
離婚して自暴自棄になり、孤独の中で亡くなった男性が救われる結末に、「お墓参りに行ってきます」「こうしてお墓で待っていてくれるといいなと思う」など、多くのコメントが寄せられた。作者である泉紗紗さんに、本作を描くきっかけや裏話を伺った。
本作はもともと漫画の専門学校の最終課題だったという。
「この漫画は、私がまだプロになる前に短期間漫画の専門学校に通っていた時期に出た最終課題でした。ちょうど、8月頃だったと思います。好きなものを描いていいと言われて、時期がちょうどお盆だったので、お盆にまつわる話を描いて原稿にしようと思ったのがきっかけでした。その後、ある出版社の編集さんの目に留まり、その会社の雑誌で小さな賞をいただきました」
また、最終課題に取り組んでいた時期に祖母の介護も重なっていた。「死」に関わることを意識していたものの、ネームに起こした段階では「死に対して抵抗があったのか無理やり明るい終わり方にしていた」と語る。学校の先生からアドバイスをもらい、今の終わり方になったという。
「初めまして、私…墓です」というキャッチーな出だしについても伺った。
「墓石に名前が刻まれるというのが、人が座ってたらおもしろいよな…という思いつきで出だしのイメージがパッと出ました。おもしろそうと思って次のページをめくってほしいと思って描いたので、ギャグ漫画なのか?と思って読んでいただけたのは嬉しかったです」
今年のゴールデンウィークやお盆休みに、久々に帰省する人や、もしかしたらお墓参りに行く人もいるかもしれない。そんな時、家族、そしてご先祖様がより身近に、愛おしく感じられるような良作だ。
そんな泉紗紗さん原作、作画に嶌野さんを迎えた新連載「
灰かぶりの子は光の公女様
」がピッコマにて独占配信を5月5日(金)よりスタートする。連載開始日には一挙15話が配信され、1~3話は無料公開。4話以降は「待てば¥0(R)」で楽しめる。奴隷のような日々を過ごしていた孤児・シンダーは、ある日“光の女神”の末裔であると告げられ、侯爵家に引き取られることに。初めての「家族」、優しい兄たちに囲まれたシンダーの愛され令嬢生活を、ぜひチェックしてほしい。
取材協力:泉紗紗(@sasa_iky)さん
詳細情報
■泉紗紗(@sasa_iky)さん・Twitter:https://twitter.com/sasa_iky
・灰かぶりの子は光の公女様:https://piccoma.com/web/product/135410
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