「赤ずきん」の由来は“返り血”!?あらゆる問題を筋肉が解決してしまう漫画シリーズに「ツッコミが追いつかない」と爆笑【作者に聞く】

ゴールデンウィークの過ごし方は人それぞれだけれど、おでかけの合間や移動中、はたまた家でゆっくり過ごす時にも、笑えるギャグ漫画はぴったり。ウォーカープラスがGWにおすすめする漫画作品の中から、今回はTwitter上で10万以上のいいねと反響を集め、今年、紙・電子書籍として発売された赤信号わたる( @GoAkashin )さんの創作漫画「筋肉童話」シリーズを、著者インタビューとともに紹介しよう。

かよわい被害者のはずが“武闘派赤ずきん”に…童話×筋肉の解決力が万能すぎる

コミックヴァルキリーにて『ヤンキー悪役令嬢 転生天下唯我独尊』を連載中の漫画家・赤信号わたるさんは、自身のSNSでオリジナル作品を数多く発表している。その中でも代表作と言えるのが「筋肉童話」シリーズだ。

2021年12月に投稿した「全てを筋肉で解決するシンデレラ」では、元の童話では継母たちに苦しめられるシンデレラが、筋骨隆々な肉体を持っているという設定のIFストーリーが描かれる。鋼のような肉体の前では継母たちのいじわるは通用せず、当然魔法使いの助けも必要なし。王子の前で落とすのもガラスの靴ではなく鉄アレイ――と、まさに筋肉が原作上のあらゆる問題を解決してしまうパロディ作品だ。

初投稿時、Twitterで累計12万いいねを超えた同作。その後、「童話×筋肉」という掛け合わせでさまざまなおとぎ話が描かれ、2022年1月に投稿された「全てを筋肉で解決する赤ずきん」では、赤ずきんの名が“暴漢の返り血で染まる”というまさかの解釈を描き「ツッコミが追いつかない」と10.4万件のいいねを数えるなど、シリーズ化された作品はSNS上でたびたび笑いを呼んでいる。

「やっぱ筋肉です」作者の生活さえ変えた漫画シリーズ

2022年には森永製菓とコラボした同シリーズのスピンオフ企画「Eルチン筋肉童話」が公開されるなど、その反響はSNSのみに留まらない同シリーズ。2023年2月にはCOMITIAにて個人制作の紙書籍版単行本「筋肉童話 ～読むプロテイン～」が頒布され、3月には電子書籍でも公開がはじまった。単行本・電子書籍にはこれまでSNSで公開された作品のほか、Eルチン筋肉童話のリメイク版も収録。Twitter発の人気シリーズの集大成と言える内容だ。

作者の赤信号さんによると、筋肉や物理の力技で解決する話を、誰もが知る題材と掛け合わせる形でアイデアが生まれたという同シリーズ。ウォーカープラスでは、赤信号さんにインタビューを実施し、単行本刊行の経緯や、シリーズを振り返っての思いを聞いた。

――2021年から発表されている筋肉童話シリーズですが、「筋肉童話 ～読むプロテイン～」として、紙の単行本を刊行したきっかけを教えてください。

「大変ありがたいことに、今までに投稿した筋肉童話のお話に対してまとめて単行本化してほしいという読者さんからのご要望が多かったんです。ある程度の話数がたまったら配信・販売をしてみたいとはずっと思っていましたので、念願が叶い自分としてもとても嬉しいです」

――単行本にはSNSで公開した作品のほか、森永製菓とのコラボ作品もリテイク版として収録されています。

「このシリーズは当初『全てを筋肉で解決するシリーズ』として発表していました。それを読んでくださった森永製菓さんが、自社のプロテイン製品とのコラボをもちかけてくださったご縁であらためて始まったのが『筋肉童話』です。普通こういったコラボですと内容がかなり規制されるものなのですが、森永さんはかなり自由に自分のアイデアを採用してくださって大変感謝しております」

――第一作の「全てを筋肉で解決するシンデレラ」から1年半近く、さまざまな童話を“筋肉化”されてきました。長期にわたり描く中での変化や苦労はありましたか？

「それが思った以上にスラスラ描けて、自分でもびっくりしています。まったく関係なさそうな童話でも筋肉を絡めると意外と解決してしまうことが多くて、描いてて自分でも『あれ？本当に筋肉って万能なのでは？』と感心してしまいました」

――また、作品がきっかけで赤信号さんご自身も筋トレをはじめられたとうかがいました。

「実はシリーズの発表当初、自分は結構不健康な暮らしをしていたんです。ですが、筋肉をネタにした漫画を描いている人間がこれではいかんと思い、筋トレを始めたらすっかりハマってしまい。実際にどんどん健康になってきて持病の腰痛も回復したので筋肉様様です。やっぱ筋肉です」

――単行本のあとがきでは続編や童話の展望も語られていました。今後について読者へメッセージをお願いします。

「まず、このシリーズがここまで大きくなれたのはひとえに読者の皆様が応援してくださったおかげです。本当にありがとうございます。筋肉童話シリーズは新しい話を思いつき次第まだまだ描いていきたいと思いますので今後ともどうぞよろしくお願いしマッスル！」

取材協力：赤信号わたる(@GoAkashin)