【漫画】ラストの解釈にコメント欄が反響!これはミステリーそれともオカルト?張り巡らされた伏線に「ゾッ!」大人になれないという結末
2022年記事全国
この記事は2022年GW(ゴールデンウィーク)おでかけトピックス特集のものです。最新トピックスはこちら
ウォーカープラスでは、ゴールデンウィークなどの長期連休に読みたい漫画を特集。今回は、子供特有の「見栄」や「度胸」、「劣等感」や「変わりたい気持ち」を見事に描いた大家(@ksyjkysk)さんの「僕らの夏と灰」を紹介する。
大人のいない場所で子供だけでサバイバル生活を始めた、小6の夏。子供の頃にしかできない友人との冒険は、映画「スタンド・バイ・ミー」を彷彿とさせる。しかし、サバイバル生活の最中、少年らは「灰入道」という化物に遭遇する。
目的を達成のために後先を考えない子供特有の残忍さが描かれつつ、実は「灰入道」は遭難した少年らを探しにきた救助隊だった、というラストに衝撃の声が上がっている。死の恐怖をまざまざと描いた本作に「何度も読み返したくなる」「読み返せば、読み返すほどゾッとする」とコメント欄の反響も大きい。そんな話題作について、大家さんに話を伺った。
――夏休みのサバイバルを通して「自分の殻を破りたい」と、大人の儀式を決行するなど、年ごろの子供と大人の境目の心理が絶妙に描かれていると思いました。本作を作ることになったきっかけは何ですか?
最初は夏のイベントに出す新刊ということで夏をテーマに漫画を描こうと思ったのがきっかけです。「学校の怪談」のようなオカルトと子供が登場する作品が好きなので、結果的に本作のようなストーリーになりました。
――子供らが化け物「灰入道」に見えていたのは、本当は救助隊だった。つまり、子供たちには大人が化け物に見える、子供たちの不安定な心理状況を表しているのですか?
そういう解釈もできますし、単に妖怪に化かされていたという解釈もできると思います。ミステリーともオカルトとも解釈できる作品になったと思います。
――「子供だけで過ごすサバイバル」という設定から突如起きた「化け物退治」、そして救助隊に助けられる結末、この起承転結には驚きました。元からテーマを設定していたのでしょうか?
子供が大人になる過程を描いたストーリーはよくあるので、逆に大人にならなくても良いし、なれなくしてやろうと思ってあのようなラストに決めました。テーマらしいテーマはあまり考えたことがないのですが「克服できないコンプレックスと一生消えない心の傷」がテーマになるのかなと思います。
――このほかに本作でとくに意識した点があれば教えてください。
妖怪をシンプルに怖く表現できるように、真っ暗な自然の中で異質感が出るよう心掛けてデザインしました。
大人と子供の間で揺れる思春期の子供たちを見事に描いた「僕らの夏と灰」。「一生消えない心の傷」をテーマに描かれたひと夏の忘れられない出来事は、読んだ者にも強く記憶に残る作品だ。
取材協力:大家(@ksyjkysk)
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