一緒に笑って、一緒にドキドキ。六本木「平成恋愛展」へ、あの頃のときめきを探しに行こう

東京都

SNSで見かけてからずっと気になっていた、六本木ミュージアムで開催中の「平成恋愛展」。休日の昼下がり、さっそく足を運んでみると、一歩扉を抜けた先には、ポケベルやガラケー、分厚いプリ帳といった懐かしのアイテムたちが当時の空気感そのままに広がっていた。あのとき誰もが経験した、少し気恥ずかしくて、でもたまらなく愛おしい青春時代のドキドキの模様をリポート!

「平成恋愛展」のエントランス
「平成恋愛展」のエントランス


席決めのくじ引きから始まる、30年分の甘酸っぱい時間

展示の始まりは、なんとも心にくい演出から。あの頃誰もが一喜一憂した「席決めのくじ引き」を引いて、どこか懐かしい匂いのする教室へと案内される。指定された席に座り、そっと机の中を覗くと、見知らぬ誰かの手紙が…。

まずは、ここでくじを引いてから、教室に入るところからスタートする
まずは、ここでくじを引いてから、教室に入るところからスタートする

机の中には、折りたたまれた手紙が入っている
机の中には、折りたたまれた手紙が入っている


実はこの手紙の持ち主たちの恋模様が、この先の展示の随所に登場するという、まるでモキュメンタリー映画の中に迷い込んだような仕掛けになっているのもおもしろい。彼らの恋を想像し、考察する体験は、自分の「あの頃」を呼び覚ますだけでなく、経験したことのない誰かの青春まで共有させてくれる。

くじの番号を、黒板に書かれた席の位置で確認してから着席する。映像作品を視聴してから展示室へと進んでいく
くじの番号を、黒板に書かれた席の位置で確認してから着席する。映像作品を視聴してから展示室へと進んでいく

数種類ある机の中にある手紙。友達同士のやり取りから、高校時代の思い出がフラッシュバックする
数種類ある机の中にある手紙。友達同士のやり取りから、高校時代の思い出がフラッシュバックする


会場には、平成の恋愛を彩った約3000点ものアイテムが並んでいて、時代は「初期・中期・後期」の3つのエリアに分かれている。それぞれの時代の空気感に合わせたときめきが、そこかしこに散りばめられているのだ。

もどかしさが恋を育てた「平成初期(1989〜1999年頃)」
携帯電話を持っていなかったあの頃、恋の主役は「待つ時間」だった。このエリアに足を踏み入れると、まず8センチCDとラジカセ、手紙という3つのアイテムが出迎えてくれる。展示されたラジカセからは当時のラジオ番組が流れていて、カセットが終わるとスタッフが手作業で巻き戻して再生し直すという、アナログならではの光景に思わずクスッとしてしまう。授業中に後ろの席の子から肩をポンポンと叩かれて手紙を受け取ったり、「消しゴム貸して」と言われたり。そうやって、いくつもの恋愛のきっかけが生まれていった、あの懐かしい雰囲気もそのままよみがってくる。

連絡手段が限られていた「平成恋愛初期」の全景
連絡手段が限られていた「平成恋愛初期」の全景

ラジカセからはラジオが流れ、当時のヒット曲やパーソナリティのトークなどが楽しめる
ラジカセからはラジオが流れ、当時のヒット曲やパーソナリティのトークなどが楽しめる

スクールバッグや、ショッピングバッグがぶら下げられた教室の机。当時を思い起こせば、前後の席で、さまざまなドラマが展開されていたはず
スクールバッグや、ショッピングバッグがぶら下げられた教室の机。当時を思い起こせば、前後の席で、さまざまなドラマが展開されていたはず

交換日記の中身を見ると、手紙の中に出てきた登場人物の名前も
交換日記の中身を見ると、手紙の中に出てきた登場人物の名前も


さらに進むと、あの頃どの駅にもあった伝言板や、暗号のような数字を送り合ったポケベル、そして実家の固定電話といったアイテムたちが、甘酸っぱい記憶を次々と呼び覚ましていく。展示を見るだけでなく、ポケベルの早打ちにチャレンジしたり、家族に出られないかドキドキしながらダイヤルを回す体験ができたりと、遊び心もたっぷり。すっかり街から姿を消した公衆電話ボックスに入って、受話器を片手にミラーセルフィーが撮れるスポットもあり、不便だからこそ募っていったピュアな恋心にどっぷりと浸れるに違いない。

勇気を出して電話したら、相手のお父さんが…。っていうほろ苦い思い出が、青春の1ページに刻まれている人も多いのでは? 固定電話は、実際にかけることもできるので
勇気を出して電話したら、相手のお父さんが…。っていうほろ苦い思い出が、青春の1ページに刻まれている人も多いのでは? 固定電話は、実際にかけることもできるので

当時は歌詞にも登場したり、TVCMも放送されていたポケベル。どれだけスムーズに打てるか挑戦してみよう
当時は歌詞にも登場したり、TVCMも放送されていたポケベル。どれだけスムーズに打てるか挑戦してみよう

公衆電話や駅の掲示板もすっかり見かけなくなった、平成初期の当たり前の風景
公衆電話や駅の掲示板もすっかり見かけなくなった、平成初期の当たり前の風景


つながりやすさとすれ違いの「平成中期(2000〜2009年頃)」
時代が進み、ひとり一台ガラケーを持つようになると、恋の距離はぐっと近くなった。このエリアで最初に迎えてくれるのは、放課後に集まっておしゃべりしていたファミレスのボックスシート。当時の雰囲気を忠実に再現したテーブルは、見事なまでに散らかっていて思わず笑ってしまう。机の上だけでなく、無造作に置かれたカバンの中まで当時の女子高生のアイテムが詰まっていて、「ここで、どんな話をしてたっけ?」と当時を思い出す人もきっと多いだろう。

ケータイが登場して連絡が取りやすくなった「平成恋愛中期」の展示風景
ケータイが登場して連絡が取りやすくなった「平成恋愛中期」の展示風景

放課後に集まっていたファミレス。当時の高校生たちが散らかしていたテーブルの雰囲気を、100%再現した
放課後に集まっていたファミレス。当時の高校生たちが散らかしていたテーブルの雰囲気を、100%再現した

ギャルのカバンの中身は、ゲームにマンガ雑誌、ぬいぐるみのようなポーチなど。勉強道具は見当たらない…
ギャルのカバンの中身は、ゲームにマンガ雑誌、ぬいぐるみのようなポーチなど。勉強道具は見当たらない…


その先には、あの頃入り浸っていたレンタルCDショップ「TSUTAYA」の空間が広がっていて、一歩踏み入れた瞬間に思わず歓声が漏れてしまうかもしれない。色とりどりのMDやデジカメ、解読するのも楽しかったギャル文字の手紙、そして愛情の証でもあった分厚いプリ帳などがずらりと並んでいる。実際にガラケーを手に取れるコーナーもあり、パカパカと開閉するあの独特の手応えがなんとも懐かしい。画面に表示された「新着メール問い合わせ」の文字を見つめていると、好きな人からの返信を1分おきに確認していた、あのヒリヒリとした感情まで鮮明に呼び起こされるから不思議だ。また、SNSが登場する少し前、友だち同士でグループを作って個人ブログを楽しんだり、好きな子のブログをこっそり覗き込んで一喜一憂したりした、あの甘酸っぱい記憶も一緒に思い出される。

TSUTAYAの店舗もリアルに再現
TSUTAYAの店舗もリアルに再現

カセットテープがMDに変わり、写るんですがデジカメへと進化した時代。それでも手紙はまだ重要な恋愛ツールだった
カセットテープがMDに変わり、写るんですがデジカメへと進化した時代。それでも手紙はまだ重要な恋愛ツールだった

ケータイもたくさんの種類が登場し、それぞれデコって個性を出していた時代
ケータイもたくさんの種類が登場し、それぞれデコって個性を出していた時代

まだSNSが登場する前、個人ブログで仲間とやり取りした人も多いはず
まだSNSが登場する前、個人ブログで仲間とやり取りした人も多いはず


近すぎるからこそ揺れ動く「平成後期(2010〜2019年頃)」
そして記憶に新しい平成の後期は、いつでも相手とつながれる安心感と、近すぎるがゆえの複雑な駆け引きが交差する時代。会場には、数年前、夢中になったカルチャーが、それぞれのコンテンツとして散りばめられている。

コミュニケーションの手段が圧倒的に増えたちょっと前「平成恋愛後期」の展示風景
コミュニケーションの手段が圧倒的に増えたちょっと前「平成恋愛後期」の展示風景


たとえば「スマートフォン」のコーナー。ひとり一台持つのが当たり前になり、連絡のスピードは格段に上がった。一瞬で言葉を届けられるからこそ、時間をかけて慎重に選んだメッセージの重みを、あの小さな画面が教えてくれた気がする。写真加工がエンターテイメントとして確立したのもこの頃のこと。どんな自分もかわいくしてくれる革命的アプリ「SNOW」のフィルターで一緒にはしゃいだ記憶が鮮明になる。友だちとも恋人とも、こぞって画面の中の自分たちに夢中になっていた。

いまの生活に必要不可欠なスマホが登場したのもこの頃
いまの生活に必要不可欠なスマホが登場したのもこの頃

SNOWにカップルアカウント、音楽アプリ。もう見かけなくなったコンテンツや、まだ必須のものまで、ツールの移り変わりも早くなった
SNOWにカップルアカウント、音楽アプリ。もう見かけなくなったコンテンツや、まだ必須のものまで、ツールの移り変わりも早くなった


さらに、当時何度もドキッとさせられた「好きな人からの電話」のコーナー。ふいに鳴り響く着信音とともに画面に浮かぶあの人の名前。心臓の鼓動を落ち着かせながら、震える指で通話ボタンをスライドさせていた記憶が戻ってくる。

会場では、SNOWをほぼ等身大で楽しめるパネルが用意されている
会場では、SNOWをほぼ等身大で楽しめるパネルが用意されている


このほかにも、SNSでの「❤️(いいね)」にまつわる甘酸っぱい記憶や、カップルアカウント文化など、思わずニヤリとしてしまう展示がいくつも待っている。連絡の手段がどんなにスマートになっても、恋の根っこにある不器用なドキドキは、きっといつの時代も変わらないと、優しく教えてくれる気がした。

エンディングに、プリ帳を模した巨大なパネルが登場。自由に書き込んで楽しもう
エンディングに、プリ帳を模した巨大なパネルが登場。自由に書き込んで楽しもう


放課後の延長戦。あの頃のときめきを持ち帰るグッズたち

展示エリアをたっぷり満喫して抜けた先に待っているのは、放課後の必須アイテムだったフリューのプリ機「DEAR 令和&平成 ウチらの伝説プリ PINK編」が出迎えてくれるショップエリア。

展示を楽しんだら、ミュージアムショップでグッズを探そう
展示を楽しんだら、ミュージアムショップでグッズを探そう

フリュー「DEAR 令和&平成 ウチらの伝説プリ PINK編」
フリュー「DEAR 令和&平成 ウチらの伝説プリ PINK編」


当時のガラケーを彩った「ギラギラ待ち受け」をそっくりそのまま再現したランダム封入のミニクリアファイルや、ガラケー画面をデザインしたクリアマルチポーチなど、ユーモアと懐かしさが詰まったグッズがずらりと並ぶ。なかでも目を引くのは、Z世代を中心に共感を呼んでいるクリエイター・青春botさんのイラストがあしらわれた会場限定アイテムたち。スクールバッグにつけたくなるアクリルキーホルダーや、普段使いできそうなトートバッグがそろっている。

「ギラギラ待ち受け画を再現!ミニクリアファイル(ランダム3種)」各385円
「ギラギラ待ち受け画を再現!ミニクリアファイル(ランダム3種)」各385円

「メル画を再現!ミニクリアファイル(ランダム3種)」各385円
「メル画を再現!ミニクリアファイル(ランダム3種)」各385円

「トートバッグ(全3種)」各1980円
「トートバッグ(全3種)」各1980円

「アクリルキーホルダー(全3種)」各660円
「アクリルキーホルダー(全3種)」各660円

「クリアマルチポーチ あるあるガラケー画面(ランダム5種)」各770円
「クリアマルチポーチ あるあるガラケー画面(ランダム5種)」各770円

そのほかにも、スポンジ・ボブやセサミストリートなど、ギャル文化に寄り添ってきたキャラクターグッズも充実。

当時も今も変わらず愛され続ける、スポンジ・ボブやグル~ミ~のグッズもずらり。若者世代の必須アイテムもそろう
当時も今も変わらず愛され続ける、スポンジ・ボブやグル~ミ~のグッズもずらり。若者世代の必須アイテムもそろう

セサミストリートやリサとガスパールのキャラクターグッズも発見!
セサミストリートやリサとガスパールのキャラクターグッズも発見!


また、会場では NTTドコモとのコラボレーション企画も行われていて、「#ありがとう3G」や「#ありがとうiモード」といったハッシュタグとともに、当時のガラケーへの感謝メッセージをXで募集しているそう。あの頃のときめきを形にして持ち帰るだけでなく、自分たちの記憶も一緒に残せる、なんとも粋な空間になっている。

余韻はそのままに。「みんなの!平成恋愛CAFE」で思い出話の続きを

グッズコーナーを隅々まで楽しんだあとは、胸いっぱいの余韻をそのまま味わえるカフェスペースへ。ここは「あの頃の放課後」がテーマになっていて、メニュー名を見るだけで懐かしい気持ちになる。

「ってかウチら勉強とかいって恋バナしかしてなくない?」なフードコートのタピオカ各700円
「ってかウチら勉強とかいって恋バナしかしてなくない?」なフードコートのタピオカ各700円提供画像


たとえば、「今日部活終わったら絶対食べ行こ。」と名付けられた甘いクレープや、休日のフードコートを思い出す色鮮やかなタピオカドリンクなど、心くすぐられるメニューがいくつも用意されている。制服姿で寄り道をしたあの日のように、クレープやドリンクを片手に、思い出話に花を咲かせてはどう?きっと、甘いスイーツを楽しみながら、「あのとき、ああだったよね」と笑い合えるひと時がすごせるはず。

誰かと共有したくなる、色褪せないドキドキ感

時代が進んで、連絡の取り方や恋の始まり方がどれだけ変化しても、好きな人を想うときのドキドキする気持ちは、きっといつの時代も同じだろう。この展覧会は1人でじっくりと浸るのもいいけれど、誰かと一緒に訪れるのが絶対におすすめ。

「こんなのあったね」「あの話、覚えてる?」なんて笑い合いながら、目の前の展示を通して互いの思い出を語り合うと、さらに楽しめるはず。親子で訪れても、「何これ、ありえない(笑)」なんてツッコミを入れたりしながら世代間のギャップで盛り上がれるのもこの企画展ならでは。気心知れた人を誘って、あの日の色褪せないときめきに合いに行ってみて。

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(C)平成恋愛展

取材・文・撮影=北村康行

詳細情報

◼︎平成恋愛展
期間:2026年4月7日~6月28日(日) ※会期中無休
時間:月曜~木曜 10:00〜18:00(17:30最終入場)/金曜~日曜、GW期間(4月25日(土)~5月10日(日)) 10:00〜20:00(19:30最終入場)
会場:六本木ミュージアム
情報は2026年4月15日 14:57時点のものです。おでかけの際はご注意ください。

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