GW人気急上昇「国営ひたち海浜公園」、人気の影に「コスプレ」「ネモフィラ」「SNS映え」

国営ひたち海浜公園で撮影を行うみさづかみんとさん

おでかけが活発になるGW10連休のなかでも、いま全国的に最も注目されていると言えるのがネモフィラの花畑で一躍有名になった茨城県「国営ひたち海浜公園」だろう。2015年から急激に入園者数を伸ばし、ついに2018年は年間229万人を突破した新名所だ。驚くべきヒットのきっかけは、あるFacebookページに掲載された「絶景写真」だったという。さらに、丘一面に450万本の青いネモフィラの花が咲き誇る様子が異世界のような雰囲気だとコスプレイヤーがいち早く注目して、近年ではアニメ作品の世界観に似ていると話題に。また、2017年の新語・流行語大賞を「インスタ映え」が受賞し、近年では若年層を中心に「映(ば)える」という言葉が新たに生まれた。これらの、写真が巻き起こすムーブメントと「映え」の仕組みについて、老舗テーマパークを生まれ変わらせた現役女子大生クリエイターにも話を聞いた。

入園者数230%!きっかけは“死ぬまでに行きたい!”と思わせる「絶景写真」

国営ひたち海浜公園のネモフィラの花畑

いまやゴールデンウィークの新名所として全国にその名を轟かせるネモフィラの花畑で有名な国営ひたち海浜公園。入園者数は2015年度を境に急激に伸び、2018年度は年間入園者数で過去最高の229万人を達成。東日本大震災の影響で一時入園者数が落ち込んでいた2011年度の2.3倍以上という驚異の伸びを見せている。国営ひたち海浜公園の担当者によると、この熱狂の始まりこそが「絶景写真」だったという。

【写真を見る】国営ひたち海浜公園の年間入園者数の推移。2011年度(平成23年度)から倍増していることがわかる

その始まりというのが、2015年に絶景プロデューサーの詩歩さんが手掛けるFacebookページ「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」で紹介されたことだ。いまや70万人の“いいね!”を集める同ページで当時ネモフィラの「絶景写真」が公開されると、SNSで瞬く間に拡散。その勢いは日本だけにとどまらず、その結果は外国人観光客20人以上の団体利用者数が、2014年度の1300人から2018年度の3万5152人(速報値)に増えたことからも一目瞭然だ。

さらに世の中の流れとも合致した。2014年の新語・流行語大賞に「絶景」がノミネートされ、国営ひたち海浜公園の入園者数が徐々に伸び始めている中、その人気を確固たるものにする後押しとなった形だ。

ヒットの影にコスプレイヤーあり!「作品の世界観に似ている」と注目も

いまや全国区となった国営ひたち海浜公園のネモフィラの花畑だが、その魅力にいち早く気づいていた存在がいる。それがコスプレイヤーだ。彼らはその自然に恵まれたロケーションに目をつけ、度々国営ひたち海浜公園で撮影会を行っていたのだ。

しかし担当者いわく、「以前はネモフィラの花畑より、遊園地やバラ園、樹林などで撮影する方が多かった」という。しかしメディアに注目され始めると共にコスプレイヤーのネモフィラの花畑での撮影も増えた。そして、さらにその流れを加速させそうな出来事がアニメ作品『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』だ。公開されたキービジュアルの風景が、国営ひたち海浜公園のネモフィラの花畑にそっくりだと話題になったのだ。これを、衣装だけではなく世界観の作り込みにまで心血を注ぐコスプレイヤーたちが見逃すはずもなく、作品の世界観を求めてさらに撮影に訪れる人が増えそうだ。

『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』キービジュアル

また他にも、一風変わった石のテーマパーク「ロックハート城」の移築されたヨーロッパの古城や、10万平方メートルの敷地内には石造りの教会、ショップ、レストランが中世の街並みを再現している絶好のロケーションにコスプレイヤーが殺到。多くの撮影会が行われていることが注目を浴び、いまでは一般の人も多く訪れ、カップルにも人気の恋人の聖地として新たな名所となっている。

ロックハート城で撮影を行うyomomiさん

写真映えに敏感なコスプレイヤーはロケーションにも命がけ!「使えそうな場所探しは常に」

そんな写真映えに並々ならぬ熱意を傾けるコスプレイヤーたちが、実際にどのように撮影場所を探しているのか、一線で活躍する3人に話を聞いてみた。

みさづかみんとさん(@misazukamint)「ロケーション探しは、さまざまな雑誌を読んで見つけた『素敵だな~』と思える場所にロケ申請を出すときと、たまたま出かけた先で『良いな~』と感じる場所があったら、その場でコスプレ撮影はできるのか確認するときの2パターンがあります。常に行く先々で、ロケに使えそうな場所はないか、目を光らせてます」

国営ひたち海浜公園で撮影を行うみさづかみんとさん

yomomiさん(@ZeusEleven0517)「好みのロケーションでイベントを開催している団体のサイトや、Twitterなどチェックして、いい場所はないか、つねにアンテナを張りめぐらせています」

ロックハート城で撮影を行うyomomiさん

百合亜さん(@yuriasuka)「(気をつけていることとして、)そのロケーションの公式サイトに記載してある撮影条件や、ルールなどは必ず確認します。また、コスプレ撮影の可否が不明の場合は、電話やメールで必ず問い合わせるようにしています」

国営ひたち海浜公園で撮影を行う百合亜さん

このように話を聞いてみると、いずれもそのアンテナ感度の高さや貪欲さ、さらには周囲への配慮が感じられた。一般にまだ注目されていないスポットでも撮影会を行っているというコスプレイヤーたち、もしかしたらここから“第2のネモフィラ”“第2のロックハート城”が生まれるかもしれない。

「映え」の仕組みとは?老舗テーマパークを生まれ変わらせた“人が入る余白”の重要性

写真の「力」が絶大なのはもはや明白だが、ここで今度は気になるのが「写真映え(スポット)はつくれるのか?」ということだ。

そこで、昨年比150%のSNS投稿数を記録(エードット調べ)した「那須りんどう湖レイクビュー」のフォトスポット制作など、数々の人気企画を手掛けるエードット所属の現役女子大生クリエイター、辻愛沙子さんに話を聞いた。

まず「写真映えとは何か?」というストレートな問いに対して、辻さんは「(クリエイターとしては、)お客様が主役になれる場づくりをする事や、思い出を可視化して残しておくための場づくりをする事だと思っています」と、自身の考えを聞かせてくれた。

また「映え」の本質について、「SNS投稿されやすい場所は、マス広告のように"作られた" 物ではない"リアル"な体験をSNSを通じて見る事ができるため、来場されたお客様の楽しかった体験自体が広告となってネット上に広がっていきます。美しい場所や他にないスポットは、写真に残して伝えたくなる。そしてそれをSNSで見た方が、その体験をしてみたくなります」と分析。

さらに、「そんな風に、お客様が楽しめる事を1番に考えて空間づくりをすることで、お客様にとってもその場所にとっても唯一無二な価値を作れるのだと考えています」と続けた。

また、写真映えする企画づくりで意識していることを尋ねると、「"人が入る余白をどう作るか"に1番注力しています。単純に綺麗な場所、というだけでなく、『写真を撮る場所』だと認識していただく事や、その上で老若男女問わず誰もが、自分がどこに立ってどう写真を撮れば良いか無意識に分かる空間設計を意識してデザインしています」とのこと。

自身が手掛けた企画の具体例を挙げ、「例えば、那須りんどう湖レイクビュー園内の吹き出しのウォールアートは、お子様からお年寄りまで、誰もが吹き出しの横に立って写真を撮ると感覚的に分かるようになっています。虹色の横断歩道では、上に立って横から撮るんだと分かります。人が入って初めて完成する空間である事。フォトスポットの真髄はそこにあると考えています」と、辻さんの企画づくりにおける信念も垣間見えた。

那須りんどう湖レイクビューのフォトスポット
那須りんどう湖レイクビューのフォトスポット

GW10連休は思った以上に長い。近場で過ごそうと決めた人も、この機会に「写真」を軸に新しいおでかけ先を探してみてはいかがだろうか。

情報は2019年04月29日時点のものです。おでかけの際はご注意ください。

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